【相談事例】宅地建物取引士の入れ替えが多く、自社での管理が大変!

相談者:不動産会社管理部長兼人事担当
当社では現状5人の宅地建物取引士が勤務しているのですが、入れ替わりも多く管理が大変です。専任の宅地建物取引士が入れ替わる度に行政に提出する変更届も、日々の業務に追われてつい後回しになってしまいます。できれば外部の専門家に委託したいとも考えているのですが、専任の宅地建物取引士の変更についての手続きを行政書士に依頼する会社は多いのでしょうか?

また、今後は外国籍の方の雇用も検討しています。外国籍の方を専任の宅地建物取引士としたい場合、何か注意すべき点はあるのでしょうか?

回答:行政書士 石井宗信
専任の宅地建物取引士変更手続きをご依頼いただく会社様は沢山いらっしゃいます。当事務所でもこれまで多くの会社様にご依頼いただいております。書類の収集や行政庁の窓口に出向いての申請等、日々の業務と並行して行うのは大変ですよね。

また、外国籍の方を専任の宅地建物取引士としたい場合は、その方の在留資格に注意する必要があります。加えて、提出する書類も通常とは異なります。

前提として・・・。専任の宅地建物取引士の就退任に必要な手続き

専任の宅地建物取引士の就退任には、下記の手続きが必要となります。

  1. 宅地建物取引士個人が行う、勤務先登録変更
  2. 会社が行う、専任の宅地建物取引士の変更

1. 宅地建物取引士個人が行う、勤務先登録変更

宅地建物取引士資格には、自身が勤めている宅建業者の情報を登録しておく制度があります。

宅建業者にて専任の宅地建物取引士を務めたい場合、まずはその宅建業者を勤務先として登録する必要があります。

加えて、前職の宅建業者が登録されている場合はその登録の抹消も必要です。

勤務先の登録が完了していない状態の宅地建物取引士を、専任の宅地建物取引士に就任させることはできません。

勤務先登録の手続きは、宅地建物取引士が資格登録をしている都道府県にて行います。

勤務先の宅建業者の所在地とは関係ないので、場合によっては遠方の都道府県において手続きが必要となる場合があります。

資格登録をしている都道府県は、宅地建物取引士証に記載されている都道府県を確認しましょう。

また、都道府県によっては勤務先登録の抹消に際して退職証明書の提出を求められます。

発行に時間を要する場合もあるので、そのスケジュールにも注意しましょう。

2. 会社が行う、専任の宅地建物取引士の変更

宅地建物取引士個人の勤務先登録が完了したら、ようやく会社としての専任宅地建物取引士変更の手続きに移ることができます。

こちらの手続きには、専任宅地建物取引士に就任する方の身分証明書や登記されていないことの証明書といった公的書類が必要となります。

身分証明書は本籍地のある役所、登記されていないことの証明書は法務局で取得するため、本籍地が遠方の場合等は取得まで時間がかかることに注意しましょう。

手続きは、変更日から30日以内に!

専任の宅地建物取引士の就退任は、変更があった日から30日以内に届出を行う必要があります。

変更日当日から手続きに着手しても間に合いますが、入社日や退職日が分かっているのであればその日が到来する前にできる準備は進めておくとよいでしょう。

専任の宅地建物取引士の就退任を行政書士に依頼した場合

当事務所では、専任の宅地建物取引士の就退任の手続きを数多くご依頼いただいております。

宅地建物取引士個人の勤務先登録変更、会社が行う専任の宅地建物取引士の変更届、このいずれも代行可能ですので、宅建業者の皆様の負担はかなり減るはずです。

具体的には、下記の内容を代行しております。

  • 申請書類の作成
  • 身分証明書、登記されていないことの証明書等の公的書類の取得
  • 都道府県庁の窓口に書類を持参しての申請
  • 補正を求められた場合の対応

略歴書等、一部ご用意いただく書類もございますが、基本的にはお待ちいただいている間に手続きが完了します。

外国籍の方を専任の宅地建物取引士に就任させる場合

外国籍の方を専任の宅地建物取引士に就任させたい場合の手続きは、流れとしては通常と変わりませんが、下記の点に注意が必要です。

  • 提出する公的書類が異なる
  • その方の在留期間およびビザの種類

提出する公的書類が異なります!

通常であれば、専任の宅地建物取引士に就任する方の身分証明書・登記されていないことの証明書を提出します。

しかし、外国籍の方は日本国内に本籍地を持たないため身分証明書が発行されません。

身分証明書が発行されないので、それに代えて下記の書類を提出します。

  • 住民票(国籍・在留資格に関する事項が記載されているもの)
  • 誓約書(成年被後見人、被保佐人、破産者ではないことの誓約書)

なお、登記されていないことの証明書は発行されるので変更はありません。

在留期間とビザに注意!

住民票には在留期間や資格が記載されるため、そちらにも注意が必要です。

「永住者」等であれば問題はないですが、在留期間が迫っている場合は専任宅地建物取引士就任の前に在留期間の更新を済ませるよう求められる場合があります。

また、「留学」や「家族滞在」といった原則として就業することができないビザである場合や、「教育」や「技能」といった別の在留資格のみである場合は、先に在留資格の変更を行う必要があります。

当事務所でも外国籍の方を専任宅地建物取引士として雇いたいというご相談を受けることが多く、これまでにもサポートさせていただいた例がございます。お困りの場合は是非ご相談ください。

まとめ

  • 専任宅地建物取引士の就退任には、会社として行う変更届のほか、宅地建物取引士個人が行う勤務先登録の変更も必要となる。
  • 専任宅地建物取引士の就退任に関する変更は、変更日から30日以内に届出を行う。
  • 外国籍の方が専任宅地建物取引士に就任する場合、身分証明書に代えて在留資格に関する事項が記載された住民票と、所定書式の誓約書を提出する。加えて、在留期間やビザの種類にも注意する。

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