【行政書士が教える】自宅での宅建業開業に向けてのチェックポイント

昨今の新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及もあり、自社オフィスを持たずに自宅で宅建業を開業、または自社オフィスを廃止して自宅へ事務所を移転する不動産会社さんも増えてきています。

このような、いわゆる「自宅兼事務所」での宅建業開業は行政側からすればイレギュラーなケースとして扱われているというのが現状で、オフィスビルの一室を借りて開業するといった通常のケースよりも求められる条件が多くなります。

ご自宅での宅建業開業をお考えの方や、現在の事務所をご自宅へ移転して自宅兼事務所とされたい方向けのチェックポイントをまとめました。

Check 1:まず確認すべきは「間取り」!行政に求められている用件を満たしていますか?

宅建業免許において自宅兼事務所としたい場合は、大前提条件として「事務所スペースと生活スペースが完全に分かれている」ことが求められます。

生活スペース用の玄関と事務所スペース用の玄関が別々にあるというのが理想ですが、多くの場合そうではないと思います。

一般的な一軒家やマンションのように玄関が一つだけの場合は、玄関から事務所スペースのお部屋まで生活スペースを一切通ることなく行き着くことができる必要があります。逆も然りで、生活スペースに行き着くために事務所スペースを通ることもできません。

玄関から事務所スペースに行き着くまでに通ることができるのは、いわゆる「共通の通路」部分のみとなります。玄関を入ったところにある廊下や階段は、事務所スペースや生活スペースに行き着くまでの共通の通路として扱います。ただし、扉のついていない部屋がある場合は区切られていると扱われず、通路ではなく生活スペースとして扱われてしまいます。

間取りは建物により様々ですし、行政から求められる要件も都道府県により異なることがあります。「事務所スペースと生活スペースが完全に分かれている」という要件を満たしていることは最低限として、ご自宅の間取りで問題がないかどうか、都道府県庁に図面を持参して確認を取ることをおすすめいたします。

※こちらのページで、具体的な事例をもとに自宅兼事務所に必要な間取り条件を解説しています。併せてご参照ください。

自宅での宅建業開業に求められる間取りを、具体的事例から徹底解説!

Check 2:事務所スペースと生活スペースが分かれていない間取りの場合はどうすれば?

間取り上、事務所スペースと生活スペースが分かれていないという場合もあるでしょう。そういった場合は、別途パーティション等の壁を設置することで事務所スペースと生活スペースを分ける必要があります。

なお、使用するパーティションにも下記のような制約があります。
・高さ180cm以上
・透明なガラス張り等ではなく、壁の向こうが外から見えない。
・固定式で、簡単には動かせない。
※審査基準が厳しい都道府県では、パーティションが床にビス留めされているところの写真を求められることがあります。事前に都道府県庁に確認しましょう。

区切り方についても、都道府県により扱いが異なる場合があります。こちらについても都道府県庁に図面を持参して確認をとると良いでしょう。

Check 3:間取りは問題ないのに・・・。余計なものを置いていませんか?

事務所スペースに生活用品がある等、事務所スペースに見えない場合は宅建業の事務所として扱われません。せっかく事務所スペースと生活スペースが分かれている間取りになっていても、事務所スペースを事務所スペース仕様にしなければ申請が通らなくなってしまいます。

事務所スペースや共通の通路には、生活用品を一切置くことができません。過去の事例では、下記のものが生活用品として扱われました。

生活用品として扱われたもの

  • ベッド、布団 ※仮眠用としても認められません。
  • キッチン
  • ゲーム機、マンガ本等の娯楽品
  • 仏壇

Check 4:事務所スペースに置かなければならないものは?通常とは異なる?

宅建業免許においては、事務所内に下記のものを設置しなければなりません。

  • 接客用の対面で座れる机と椅子
  • 従業員の人数分の机と椅子
  • 固定電話機

これは自宅兼事務所でも同様です。「自宅なので基本的にお客さんを呼ぶ予定はない」といった主張は認められません。事務所スペースとして使用するお部屋にこれらが全て設置できるよう、お部屋の広さにお気を付けください。

Check 5:固定電話番号は、自宅のものとは別に取得!

宅建業免許の申請には、会社用の固定電話番号が必要となります。原則としてご自宅のものとは別の番号を用意することが求められますので、ご自宅の固定電話番号の有無に関わらず会社用の固定電話番号を取得するようにしましょう。

Check 6:マンションにお住まいの方は特にご注意!事務所としての使用は許可されていますか?

マンションにお住まいの方、一軒家でも賃貸物件にお住まいの方は、ご自宅の事務所使用が認められているかどうかを確認しましょう。

賃貸物件の場合は賃貸借契約書、所有マンションの場合は売買契約書や管理組合の規約に使用目的が記載されているはずです。そこに「居住の用に限るものとする。」といった文言が記載されている場合は注意が必要です。

今のところ賃貸借契約書の提出は求められていませんが、都道府県によっては別途提出を求める場合があります。その際に事務所としての使用が許可されていないと、宅建業免許の申請が通らなくなってしまいます。
このような場合に契約書を締結し直すのは大変なので、大家さんや管理組合から別途「使用承諾書」をもらうことで対応します。

なお、仮に提出を求められなかったとしても、後で大家さんや管理組合と揉めてしまえば最悪の場合ご自宅からの退去を余儀なくされます。そうなれば宅建業免許が通らないばかりか、住居まで失うことになってしまいます。
そのようなトラブルを避けるためにも、ご自宅を事務所として使用することが可能かどうかは事前に確認しておくようにしましょう。

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