会社のホームページは言わずもがな重要な営業ツールであり、不動産会社も例外ではなく多くの業者さんが自社のホームページを構えています。
新規開業に際してホームページを開設する業者さんも多いでしょう。ただ、宅建業免許の取得を見越してすでに話が進んでいる物件の広告を掲載している業者さんも少なくないのではないでしょうか。
残念ながら、宅建業免許を受ける前に不動産広告を出すことは無免許営業に該当し、法律上禁止されています。
どのような点が問題となるか、ここから解説していきます。
宅建業免許を受ける前の不動産広告は無免許営業!
宅建業免許を受ける前に不動産広告を出すことは、宅地建物取引業法(宅建業法)において禁止されています。
※宅建業法第12条2項より抜粋
第12条
2 免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。
たとえ宅建業免許を申請中でも、免許が下りていなければ宅建業者ではありません。違反した場合、100万円以下の罰金を科せられる場合もあります。
宅建業免許の新規申請に影響することも・・・。
都道府県庁による宅建業免許の審査においては、会社ホームページや街頭広告も審査の対象となります。
審査段階で不動産広告の掲載が発覚すれば、ホームページの閉鎖や広告の撤去、最悪の場合は宅建業免許申請の取下げを求められることもあります。
宅建業免許申請を取り下げてしまうと、申請費用の33,000円は戻らず再申請時にはもう一度支払わなければなりません。
法人の履歴事項全部証明書といった各種公的書類は戻りますが、3ヶ月以内に取得したものを提出する必要があるため、再申請の時期によっては再取得しなければならなくなります。
審査も初めからやり直しになるので、宅建業免許が下りるまで倍の時間がかかってしまいます。
以上のように、宅建業免許を受ける前に不動産広告を出すことは宅建業法違反であり、都道府県庁の審査にも影響を及ぼします。
宅建業免許が下りるのを待つ間、すぐにでも営業を開始したい気持ちも分かりますが、それによって宅建業法に違反してしまえばより長い時間がかかりますし、最悪の場合は免許を受けられずに営業を開始できなくなるおそれもあります。
法を犯してまで早期に営業活動を開始しても良いことはないので、営業開始を焦って法律に違反してしまうことのないよう十分に注意しましょう。
まとめ
- 宅建業免許を受ける前に不動産広告を出すことは、宅建業法違反である。
- 会社のホームページや街頭広告も、都道府県庁の宅建業免許審査の対象となる。
- 宅建業免許の新規申請中、つまり宅建業免許を受ける前に不動産広告を掲載していたことが発覚すれば、最悪の場合は宅建業免許申請の取下げとなる。
- 宅建業免許の申請を取り下げた場合、申請費用は改めて支払わなければならず、審査も初めからやり直しとなる。